NLPの活用

NLPの活用

変化の時代に求められる「自らを整え、未来を切り拓く力」——その鍵を握る“自分を動かす技術”

はじめに

2020年を大きな境として現代社会は根本が大変容する時代に入りました。企業社会では、それまで専門スキルや業務知識の習得に重きが置かれた側面がありましたが、今や個人の「マインドセット」や「対人スキル」への注目が非常に高まっています。

特に女性リーダーの育成や、女性の活躍推進に携わる方々にとっては、女性社員にもっと活躍してもらうことが自社発展のためには必要不可欠であることをご理解いただいていることと思います。そして、そのためには「スキル」と呼ばれているものと並行して「マインド」がとても重要なテーマになっていることにお気づきでしょう。

そこで注目されているのが、NLP(神経言語プログラミング)です。本記事では、NLPとは何か、どのような場面で活用されているか、そしてこれからの企業社会における活用の可能性について、わかりやすくご紹介いたします。

1. NLPとは何か?

NLP(神経言語プログラミング)とは、人間の「脳と言語と行動」の関係性を体系化した実践心理学です。英語では「Neuro Linguistic Programming」と表記され、「脳(Neuro)」「言語(Linguistic)」「行動パターン(Programming)」という3つの視点から、人がどのように感じ、考え、行動しているのかを読み解き、望ましい変化を生み出すための技術として発展してきました。

単なる理論ではなく、「実際に使える」ことを重視したこのアプローチは、心理療法、教育、ビジネス、スポーツ、医療など多岐にわたる分野で応用されています。

2. 変化を受け入れ、進化する「脳のOS」をアップデートする技術

NLPはしばしば「脳のOS(オペレーティングシステム)」と例えられます。OSとは、パソコンを動かす基本の仕組みであり、その上に様々なアプリ(=スキルや知識)が乗っています。

しかし、OSが古いままだと、最新のアプリを入れてもスムーズに動きません。これは、私たちの心の働きにも当てはまります。たとえば、ビジネススキルや業務知識を学んでも、「自己否定」や「思い込み」「過去の経験」がOSとして働いていると、それらを十分に活かせないことがあるのです。

NLPは、こうした「思考や感情のプログラム」を自覚し、必要に応じて更新するサポートをしてくれます。まるで古いOSをアップデートするように、今の自分に合った“動きやすい状態”へと変化させるプロセスです。

3. VUCA時代に必要な「内なる変化力」を育てる

VUCAと呼ばれる将来予測が非常に困難な時代の中で、求められているのは「自ら考え、変化し、行動できる人材」です。

発達心理学を専門とするハーバード大学の教育学者、ロバート・キーガンは、著書『なぜ人と組織は変われないのか』の中で、人が「変化できない」のは能力ではなく、無意識に働く“心理的な免疫システム”が影響していると指摘しています。

NLPはまさにこの免疫のように効いてしまう“心理的な安全装置”を優しく解除し、

* 「言いたいことを言えない」パターンに気づき、段階的に行動を変えていく
* 自分を責めていた思考を客観的に見つめ、穏やかなセルフトークへと変えていく
といった「内側からの変化」を可能にします。

自己理解・自己調整・自己表現——この3つの力を養うことが、変化の激しい時代をしなやかに生き抜く鍵となります。

そして、自分自身の内側に丁寧に向き合い、思考や感情のパターンを受け入れ変化させていくプロセスは、他者の内面や行動の背景にも自然と意識を向けられるようになります。つまり、「自分を理解する力」は、そのまま「人を理解する力」にもつながるのです。

4. 世界での導入例と著名人

NLPは、誕生から50年近くが経つ今も進化を続けながら、世界各国で活用されています。

たとえば、オバマ元大統領のスピーチには、聴衆との一体感を生み出すラポール形成や、印象に残る言葉の繰り返し(アンカリング)など、NLPで体系化されている技法が多く見られます。彼自身がNLPを公式に学んだと明言しているわけではありませんが、スピーチ分析の専門家の間では「NLP的アプローチの好例」とされています。

また、ビル・クリントン元大統領は、対話や演説において相手と強い信頼関係を築く「ミラーリング」や「ラポール形成」の技法を自然に活用しており、NLPトレーナーと接点があったと言われています。クリントン氏のパーソナルコーチとして活動した人物の中には、NLPを専門とするコンサルタントも含まれていたと言われているのです。

さらに、世界的な自己変革コーチであるアンソニー・ロビンズは、NLPの共同創始者ジョン・グリンダーに学んで、NLPのエッセンスを広く一般に伝える重要な存在となりました。

また近年では、NLPのスキルや考え方が、企業研修やリーダーシップ開発、ダイバーシティ推進プログラムなどの文脈でも活用されています。具体的な企業名は非公開の場合が多いものの、実際にNLPトレーナーが関与する形で、管理職向け研修や女性リーダー育成、社内コミュニケーション向上を目的としたプログラムが導入された事例が報告されています。

このように、NLPは世界のリーダーたちが「自分を動かし、他者を動かす力」として活用してきた知恵であり、組織や社会全体の変化にも貢献できるアプローチとして注目されています。

5. これからの発展性:女性のキャリア形成にも活かせるNLP

近年では、企業におけるダイバーシティ推進や、女性活躍支援の現場でもNLPの価値が再認識されています。たとえば以下のようなテーマで活用が進んでいます。

* 「自己肯定感が低く、管理職になることにためらいがある」
* 「言いたいことをうまく伝えられない」
* 「チーム内での対人関係にストレスを感じやすい」

こうした課題に対して、NLPは「自分の思考のクセや感情のパターンを整える」「言語の使い方で印象を変える」といった具体的な解決策を提示できます。

企業の研修や個人セッション、グループワークを通じて、女性たちが“自分らしくリーダーシップを発揮するための土台”を育む支援が広がっています。

 

終わりに

「学び」や「スキルアップ」に加えて、「自分の内側にあるOSを見つめ直すこと」。

それこそが、これからの変化の時代を、しなやかに自分らしく生き抜くための確かな一歩になるのではないでしょうか。

NLPはそのための羅針盤となる技術です。NLPをベースとしたコーチングやセミナーをご提供しています。

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